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7/16『わたしを離さないで』まとめ②
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7/16『わたしを離さないで』まとめ②

ツイキャスの切り替えがうまくいかず、数分音声が途切れてしまっています。

まとめ①の終わりの話=生命倫理の観点からのつながりで、
・現在の日本でも不妊治療の技術は進んでいる
・男性配偶者以外の精子をもらって妊娠&出産したときに、子供にいつそれを告知するのか、それともしないのか、子供が「自分の父親はどこの誰かわからない」ということを知ったときの精神面のケアはどうするのか、といった課題がある
などの話をしていました。


・登場人物の社会的意識の薄さが気になった
→交換会でのみ社会と繋がっている?
→作品の出来によって交換会用のチケットがもらえる=ヘールシャムの社会は子供たちの作る芸術作品によって形成されている。
→親から受け継がれるものがない=影響を及ぼすものが先生あるいは学校という枠組みの中のものになっている

・臓器提供を拒否できる選択肢があるアナザーストーリーも見てみたい
→臓器提供とは何か、というところも含めてあらゆるものがクローンたちに対してちゃんと説明されていないという描写あり。
→「提供」という言葉がポジティブなものに思えて、現代の「インターン」と同じように思える(無償労働をオブラートに包んでいるだけ)。
→日本のドラマ版では疑問を抱く登場人物=社会運動をしている人たちがいた。

・臓器提供のシステムを考えたのが男なのか女なのか、気になる
→現実世界だと男が政策決定をしていくことがデフォルトになってしまっている(バイアグラはすぐ認可されたのに低容量ピルは、とか)。

・キャシーが「わたしを離さないで」のCDを聴いているのを目撃する人物が映画と原作で違う。映画はルース、原作はキャシー。
→映画版だとロマンス寄り?(トミーからもらったCDをキャシーが幸せそうに聴いているのを見て、ルースがトミーにアタックする=嫉妬、という流れ?)
→原作だと母性がテーマになっている?(生殖機能のないクローンが枕を赤ちゃんに見立てて揺すっているとマダムは捉えたかもしれない、とキャシー=語り手が推測する、という流れになっている)

・閉鎖された世界の中で「愛」という概念をどうやって獲得したのだろうか?
→ポルノ雑誌を読んでるシーンあり。そういった断片的な情報からなのか?
→それとも「長生きしたい」という本能から来るのか?