まとめ記事:第5回(2期目)課題本『SNSフェミニズム』
1月開催のまとめ記事です。
・アーカイブページを作成しました
→過去のまとめ記事を閲覧できます。といっても、結局substackのページに戻ってくるのですが(笑)。各回ごとにまとめ記事が列挙されています。
→今回からこのアーカイブページにツイキャスのリンクを貼っています。動画の閲覧はそこから可能です(今回の閲覧用合言葉は「クラフティヴィズム」です)。
→まとめ記事には動画や音声ファイルは貼らずに、文字情報のみになります。
・アメリカのフェミニズムグループ300個を調査・研究した本。参加型政治とインターセクショナリティの理論を軸に考える。
・オンラインフェミニズム、サイバーフェミニズム、インスタグラムフェミニズムなど、いろいろな種類がある→私たちの何気ない日常の行動もフェミニズムの実践になっている
・現代のフェミニズムの独自性は、まさにソーシャルメディアとインターセクショナリティの結び付きの中で、①職場進出や政治進出のような数字で表わされるような不平等ではなく、セクシュアルハラスメントやストリートハラスメント、公共の場所でのハラスメント行為、ミソジニー、女性蔑視な発言や暴力、ドメスティックバイオレンス、女性表象といった日常で起こる問題に取り組み、個人の独自性を保ったままで発信できるようになったこと。②私達はみんなが一つではないという前提の下に、従来のカテゴリーやアイデンティティーの枠組みを超えて多様で広範囲の人々との共同が行なわれていること、③ソーシャルメディア特有の機能であるハッシュタグを用いた活動により、特定のグループには所属しない個人たちによる運動参加や文化創造が可能となったことにあるということ。
・参加型政治の5つの循環→調査・対話とフィードバック・循環・生産・動員
・mixiで社会運動は可能か?→かつて反民族差別のコミュニティがあったらしい
・サイバーフェミニズム。インターネットゲームのユーザーは性別などのアイデンティティを超越できる?とはいえ実際には実社会におけるジェンダーの規範に縛られる?
・Twitterでの社会運動には持続性がない?→TwitterなどSNSをきっかけにリアルの場での行動・活動につながっていくと持続的なものになる。プラットフォームはその責任者(Twitterならイーロン・マスク)のポリシーや意識に大きく影響を受けるので、いつなくなってもおかしくない……。
・情報提供型とマイクロポリティクス型。前者はウェブメディアを使って様々なタイプの情報を提供するが、運営元の状況次第で閉鎖されたりする(資本主義の壁……)。あるいは収益を得ないといけない状況になることで執筆内容に悪影響が出る場合もある(やはり資本主義の壁……)。
・コンシャスネスレイジング→意識を変えるために「活動もセットで」おこなう。意識だけでは構造は変えられないので、重要な取り組み方法。
・視覚的な情報が大事?インスタグラムなどを利用したフェミニズム(社会運動)が今後は重要になるかも。
・クラフティビズム→手作業(ものづくり)をともなうフェミニズム。トランプの女性蔑視に抵抗する「プシー・ハット・プロジェクト」や、日本では「政治的な手芸部」の活動などがそれに該当するか。これもフェミニズムの視覚化であり、持続性をもたせるための手法。
・SNSは運動のスタート部分=きっかけとして重要で、その先も続けていくにはリアルな場での活動と組み合わせることが必要になってくる。フィジカルなものの重要性。
・フィジカルなものの重要性と関連して、著名人物ではない個人の歴史の重要性について。『わたしは思い出す』という日記本など。著名人物=勝者の歴史以外の、名もなき私たちひとりひとりの歴史を残していくことが、大きな構造に抵抗するためのよすがになる。そして政治家こそ名もなき人々の歴史に学ぶ必要がある。
・「女性政治家を増やす」ことが目的の政治塾で、講師が男性ばかり。しかも女性が主役ではない映画(『七人の侍』)から学べなどと言っている。それでは「男社会の中で生き抜いていける女性政治家」を養成することになるだけではないか。
・男性たちの連帯について。女性に連帯する、という意思表示をしている男性の中にある名誉欲。それに負けると「女性への連帯」ではなく「自分がいかに正しいことをしているかの誇示」になってしまう。「フェミニズムに理解ある俺」的男性たちの間での競争=男社会の規範を持ち込んでいる。
・バックラッシュ問題はこの本ではあまり触れられていない。町田さん的には「政治的イシューとの結びつき」が肝で、国によってどのテーマがバックラッシュを受けやすいかが変わってくる。日本なら夫婦別姓や萌え絵(表現の自由戦士関連)、アメリカだと中絶など(キリスト教の影響)。
・ポストTwitterについて。140字では伝えられないものがあるので、長文も書いていきたい(町田)。Twitterでは「燃やし方」のテンプレができてしまった感があるので、もはや何を言っても悪意ある人間によって燃やされる可能性がある。
次回は3/17(金)19〜21時、課題本は『杉浦郁子/前川直哉『「地方」と性的マイノリティ 東北6県のインタビューから』(青弓社)』です。詳細は以下にて。参加申込は3月に入ってから送るレターにて。