まとめ記事:第4回(2期目)課題本『フェミニスト・シティ』
11月開催のまとめ記事です。
今回からまとめスタイルを変更します。
・アーカイブページを作成しました
→過去のまとめ記事を閲覧できます。といっても、結局substackのページに戻ってくるのですが(笑)。各回ごとにまとめ記事が列挙されています。
→今回からこのアーカイブページにツイキャスのリンクを貼っています。動画の閲覧はそこから可能です(今回の閲覧用合言葉は「フラヌール」です)。
→まとめ記事には動画や音声ファイルは貼らずに、文字情報のみになります。
・前提→街づくり、建築物、各種システム、そのような「構造」の段階から差別が生じている、という認識が必要
・本書で紹介されている各種事例は日本でもよくあるもの→世界共通の差別(構造)であるということ
・高いビル、大きな建物に付与される意味や象徴→男性(的価値観で構築されている)社会における、何らかのアピール要素なのでは?支配欲・権力欲・男らしさの誇示…etc。そしてそのような建造物における不便なところ=アクセスの制約は、女性を筆頭としたマイノリティや社会的弱者にのみ降りかかってくる
・新宿西口の再開発は政治的活動ができる空間の消失につながる可能性→権力側は「多様な空間へのアクセス」を制限したいし、人が自由に集える空間も可能な限りなくしたい
・ホモソーシャルな環境に身を置いていると感覚が麻痺してくる→利益優先の思考回路。ゆえに高層ビルで効率よく……という考えが自然に出てくるし、それ以外は考えられない。排除される存在のことももちろん思い浮かばない。
・街づくりの意思決定の場に女性がいないことも当然、影響を与えている
・街づくりのロールモデルがそもそも男性的価値観で作られているので、その思考の枠組みの中でスマートシティなどと言っても、それは「男性にとってのスマートシティ」でしかない
・母親、妊婦が公共(国)の所有物として見られている、がゆえの「親切心」という恐ろしさ→戦時中の「産めよ増やせよ」に通ずる何かがある。「国のためのモノ」だから大切にされる。そういうことではない。
・街が「無賃労働(=家事など)と賃労働(=一般的な労働)を両立させやすい」仕組みになっていない→男性は家-駅-職場という直線的な動線の中でだけ動けばいいが、賃労働にも従事する女性はそれに加えて「家を中心とした円」の中での非効率的な動きも要請される(複数の保育園に預けている子供の送り迎えや生活必需品の買い物など)。男性の家事参加も「直線的な動き」の中だけで済ませられるものになっていないか?(そのほうが効率的でしょ?というもっともらしい理由で納得させられる)
・なぜ「体調が悪い」と「降りる」ことを推奨されるのか問題→電車などの公共交通機関が「働く男性」のためのものとして構築されているからではないか。「働く俺のためのものにお前らもついでに乗せてやってるんだから」という感覚。電車が遅れて遅刻することが許されない社会の空気もよくない。
・駅での痴漢やぶつかりおじさん、ナンパへの駅員の対応は、各駅ごとに質に大きな違いがある→迷惑防止条例的なものがあったり、警察からの指導が入りやすい地区の駅は迅速に対応してくれる(池袋とか)。
・鉄道を筆頭とした乗り物全般にある男性性→子ども時代に与えられたおもちゃとかも影響しているはず。女性は車の運転が下手という偏見。実際に下手なこともあるが、それは車の構造が男性の体の大きさに合わせて作られているからではないか(実際に体の小さい人は性別かかわらず視界が狭くなるので運転しにくい)。
・ナンパのやり口は世界共通?→とにかく話しかけろ、女性は本質的に男性に話しかけられたがっているから、みたいな教え。女性のモノ化。舐められている感じ。アイドル(若い女の子)を所有したい欲とも繋がるか。
・マンスプレッディング(=足を広げる)おじさんも世界共通→これもある種の支配欲や占有欲のあらわれ、男らしさの誇示か?
・ぶつかりおじさんなどが現れたときに、咄嗟になんらかの強気な反応ができるようにしておきたい→「てめーぶつかってんぞ!」とか言えたら最高だけど、それはそれで危険でもあるので、小さい声で呟くとか去っていく背中に中指立てるとか、とにかくやられっぱなしにはしない
・ルミネの化粧品売り場にナンパ男やぶつかりおじさんは出現しない→男性優位の場所や、自分が匿名・無印であると感じられる場所だから強気に出られる。ルミネの化粧品売り場で男性が感じる居心地の悪さは、女性やそのほかマイノリティがさまざまな場所で感じるそれであるということ。
・なんらかのマイノリティ、社会的弱者への配慮がある場所は、さまざまな人にとって居心地のよい場所になりうる→例:通路幅の広い店内は子ども連れも車椅子ユーザーも入りやすい。もちろん1人で来ている男性も。
次回は1/27(金)19〜21時、課題本は井口裕紀子『SNSフェミニズム 現代アメリカの最前線』(人文書院)です。このあと別途で次回開催告知のレターも配信しますが、先にお知らせしておきます。
それではよいお年を。お店は今日で終わりですが、私の仕事は終わりません。えへへ。